内田樹の『下流志向』

瀬谷こけし
 内田樹の『下流志向』、第三章まで読んだ。現代の状況において本質的に重要な問題を、逃げることなく、衒うことなく、その根から、きちんと論じている。すばらしい。思考力がつく。
 すべての人に推薦します。
 ただ一点だけ疑問点(私が教育の原点と考える点)を述べておきます。それは、
「約束をなしうる(versprechen dürfen)動物に育て上げること、これこそが人類の類的活動としてもっとも重要な仕事であった」というニーチェ的な論点です(『道徳の系譜』II)。
 人間が不可避的にあらかじめ負債を負った状態で登場する、という内田さんの論が微妙な仕方で見落としている点ではないかと思うのです。
 いずれこの論点を内田さんの論と対決させて展開してゆきたいと思っています。ニーチェには、本質的な「能動性」への肯定的な着目があり、この能動性は「負債を負った被投性」とは違う原理を指し示しているように思うのです。お釈迦さま的なこと? 考えてゆきます。

(本稿は「京都自由大学院 「書評的」 7」のリライトです)





下流志向──学ばない子どもたち、働かない若者たち
日本感性史叙説
創言社
中路 正恒

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