京都にもモエレ山を作ろう

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瀬谷こけし
ある喫茶店で東山を見ながら学生のレポートを読んでいた。
大学の近く、白川通り沿いの、東に東山の見える喫茶店だ。
それほどよく来る店ではないが、レポートを読むぐらいの仕事はできるので、そんなときに時々くる。
その喫茶店を出る時に気がついたのだが、目の前の山、その白川通りからの比高差は100mぐらいなものだ。だがその山にはあまり登る気にはならない。
わたしはあの札幌のモエレ山のことを思い出していたのだ。
モエレ山は登りたくなる。だれでも登りたくなる。それは登りやすいし、登ればすごい見晴らしが開けるからだ。草山なのだ。だからどこからでも、どんな道を取っても登れる。それがモエレ山の凄いところだ。
だが京都には草山がない。照陽樹にせよ、針葉樹にせよ、落葉広葉樹にせよ、樹が生い茂っている。
そうなると、道が限られる。四メートルの雪に被われることもないので、自由に道をとって登ることができない。京都の人はこういう山に慣れてきているのだ。行儀よく、すでにできている道を登ってゆく。歩いてゆく。けもの道なんていう言葉を知っていても、まず滅多にほんとうのけもの道なんか歩いたことはない。ほとんどの京都人はそういう歩き方以外を知らないのだ。出来合いの道を歩くことしか。
札幌のモエレ山の素晴らしさ。
言うだけ言ってみよう。京都の真ん中にひとつ草山を作ってみよう。どの方向から、どんな道をとっても登れる、見晴らしのよい草の山を。三歳から八十歳までだれでも登れる快適な草の山を(モエレ山は車イスでも登れる)。

京都人のメンタイリティーが大いに変ることだろう。
「市民」がはじめて生れるだろう。
               (2007.10.16)

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  • モエレ沼公園に行ってきた

    Excerpt: サッポロのモエレ沼公園に行ってきた。 〈登りたくなる山〉、あの「モエレ山」を公園の中心に据えたことでこの公園の成功は約束されたようなものだ。 比高100mというところだろうか。山の上に.. Weblog: 「世界という大きな書物」  中路正恒ブログ racked: 2007-10-17 02:15