今日同志社で出した問題 ヘッセの「神の死」

瀬谷こけし
 今日同志社で試験に出した問題(「ドイツ語応用」)。ヘルマン・ヘッセの「Im Leide」という詩。特に難しいことはないものだが、受験者全員よくできていた。問題はむしろヘッセの思想の方だ。詩の最後の聯でヘッセは「--- Ach, Gott ist tot!」と言う。だがその後「Und ich soll leben?」だ。
 このヘッセの言い方は女々しくないか? 彼にとって「神が死んでいる」とは何を意味しているのか? 苦痛や苦悩に意味がないことか? 自然にも人生にも、神がその何らかの意志によって与えてくれるような意味がないということ。だいたいそのように理解できる詩だ。
 しかし、その最後の詩行が「Und ich soll leben?」なのだ。はじめ「しかも私は生きなければならない」と言っておいて、そのあとで「だろうか?」を付けるというやり方だ。

 いっそはじめから「Und soll ich noch leben?」(わたしはなおも生きねばならないのだろうか?)とでも言っていてくれたら、神を失った(=見出せなくなった)痛みが分かるというところなのだが。そうではなく、生きなければならないことを前提した議論なのだ。
 そして最後に「疑問符」をつけて見せる。

 苦痛や苦悩に意味が存在しないこと、---それはニーチェが見出したことと異ならない。しかしヘッセはそれに対して曖昧な態度を取りつづけているのだ。何とも女々しい。それがわたしの印象だ。


詩を紹介しておく。


Im Leide
(Hermann Hesse)

Daß bei jedem Föhn
Vom Berg die Lawine rollt
Mit Sausen und Todesgetön ---
Hat das Gott gewollt?

Daß ich ohne Gruß
Durch der Menschen Land
Fremd wandern muß,
Kommt das von Gottes Hand?

Sieht Er in Herzensnot
Und Qual mich schweben?
--- Ach, Gott ist tot!
Und ich soll leben?







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