So hingegeben... (そのように献身して…) 2011年2月27日の演奏

瀬谷こけし
 今日演奏したカールハインツ・シュトックハウゼンの直観音楽、『七つの日より』の中の「強さ」について。
その曲、つまり演奏指示は以下のものだ。


INTENSITÄT
Spiele einzelne Töne
so hingegeben
bis Du die Wärme spürst
die von Dir ausstrahlt

Spiele weiter und erhalte sie
solange Du kannst

強さ
一つ一つの音を弾け
心を込めて
おまえから発散する
暖かみを感じるまで

弾き続けよそしてそれを保て
できる限り長く
(篠原真訳)


それで、今日はよい演奏が出来た。CDにできるかどうかは録音をきいてみないとならないが。
曲の解釈上の前進は"so hingegeben"にきちんと着目できたことだ。一つ一つの音にhingebenして演奏することが先立つということだ。(おまえから発散する)暖かさを感じるのは、むしろその結果なのだ。

大事なこと、そして第一に心掛けることは、個々の音ひとつひとつに献身して演奏することだ。そしてその結果として、お前から発する暖かさを感じて、それを逃さないようにすることができるということだ。今日はこのことを終始実行できた。そのため演奏に献身(hingeben)の連続がある。献身の連続性があった。(これは、フランス・ブリュッヘンの『田園交響曲』の終楽章の演奏と幾らかなりとも共通するものではないだろうか?)

シュトックハウゼンの直観音楽は、「無限に」(Unbegrenzt)を代表にして、瞬間性、垂直性を第一に演奏すべきものがほとんどだが、この「強さ」については、音への献身の連続性が欠かせない。われわれ直観音楽アンサンブルの今日の演奏では、道元が引く「有時深深海底行、有時高高峰頂立」の偈の境涯は、この献身の継続のなかに見え、実現された。そしてそれ以上のものも実現された。つまり時が有った。


この曲の演奏指示の、ドイツ語として多少おかしな文章、つまり"so"がありながらそれを受ける"wie"も"dass"もないこと、その代わりが"bis"ではじまる文であること、これは、究極的には、「おまえの暖かさ」(die Wärme […], die von Dir ausstrahlt)も、「それを感じ取り追跡すること」(spürst)も、おまえの音への献身から生れる、ということを語っているだろう。

そのことを、今日の演奏でわれわれは大変よく理解したのだった。

今日の演奏は大変よい演奏だった。今日の演奏参加者名を姓だけ記しておく。寺村、中川、長野、加藤、中路。以上の五人である。












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