白川通りの欅の樹が

瀬谷こけし
 市内のソメイヨシノはあらかた散ってしまったが、枝垂桜はまだこれからのようで、今日、京田辺の同志社構内で、真っ盛りに咲いていた。
 白川通りのケヤキの葉は、桜が花開くと同時に、若葉を開きはじめていた。あまり人の気づかぬままに春を迎えている。ケヤキは、樹によっては去年の枯葉を、ほんの少し前までは枝につけていたのだ。春一番に散らされるケヤキの枯葉も多かったが、残している樹もあった。だがもうそれも終わりで、白川通りのケヤキの樹たちにも春が訪れている。だが、まださみどりの若葉をつけてない樹もある。ここのケヤキ並木は、多くの光を受ける樹から、若葉をつけてゆくようだ。とりわけ東からの光が(ビルなどで)遮られない樹が早く春を迎える。今が樹によっての早い遅いの見えやすい時。ふとリルケの「秋の日」の詩を思い出す。あと二日だけの猶予を、という過酷さがその詩にはある。
 次がその詩の最後の聯。

  今家をもたない人は、もう自分の家を建てることはないでしょう。
  今独りでいる人は、ずっと独りでいることでしょう。
  夜にめざめ、本を読み、長い手紙を書くでしょう
  そして、落葉が舞い散るときには、あちらこちらと
  並木路を、定めなくさまようことでしょう。
   (拙訳)

  「二日の猶予」というのは、彼リルケが、ぶどうの実りについて、「主」に祈り乞うもの。
  また新しい一年がはじまった。
   (写真は2012年4月17日撮影のもの)

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LumixGF3, G14mm.





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