シュトックハウゼンのための一日

瀬谷こけし
 昨日は東京から若い友人(IWJで知り合った)が来てくれて、シュトックハウゼン漬けの一日。はじめに大津のシュテルンクランクへ行って、しばらく話した後、「短波」(Kurzwellen)を聴く。
 ほとんどそれだけで十分なのだ。聴く耳があれば、それだけですっかりすべてが変わる。ただ、ほんとうに、非常に正しくチューニングされた部屋、装置で聴かないと、聴き取れないものが多い。わたしがシュトックハウゼンの「短波」を聴くことのできる場所として勧められるのは、大津のシュテルンクランクのリスニング・スタジオだけ。そこでないなら、ヘッドホンで聴いた方がよいと思う。
 今回は、後半部の、一気に来る凝縮感が、とてもよく聴けた。音の焦点が非常によく合っていて、音像の定位もきちんとしている。---その客人も、この音楽は、iPodなどでは聴けないようにしておかなければならない、と言ってくれた。にせ物を「短波」扱い、シュトックハウゼン扱いして欲しくないのだ。
 その後、またしばらく話してから、わたしたちIME(直観音楽アンサンブル)の「夜の音楽」(『七つの日より』より)を聴いてもらった。
 わたしにとっても意外だったのだが、あの「短波」の演奏を聴いた後でも、十分に聴けたことだ。この今年の7月1日の「夜の音楽」の演奏は、この、広がる放射能汚染のただなかで、山中智恵子の、

  星は医師と誰か言ひけむ こはれゆく銀河を仰ぎとどめむものを

という時代認識を重ね合わせ、新しく発見すべき「宇宙のリズム」として、宇宙の新しい誕生の強度とリズムを発見しなければならないと演奏中に気づき、そしてそれを発見できたと感じられる演奏だったのだ。今回聴いても、それのわかるよい演奏だった。

 そしてその後、造形大の陽陽館研究室に行き、客人と三人で直観音楽を演奏した。「正しい長さ」と、今回は「無限に」。直観音楽のすばらしさ、大道無門のひろさ、豊かさ。その端緒は十分に掴んでもらえた。
 こうして、こんな風に、ほんとうに素晴らしいものは広がってゆく。2012年8月19日は、その新しい端緒の一日になるはずだ。




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