京都歌会 --- わがことば創りたまへるかの夜

瀬谷こけし
 今日、日本歌人の京都歌会。新人二人が来てくれた。作も評も素晴らしい二人。
 歌会の後喫茶室で談話していたが、ある先輩から私が短歌で何をやろうとしているのかきかれた。普段こんなことは尋ねられたこともないのだが。
 私の答えは多分簡単だ。山中智恵子と塚本邦雄が開いた地平を先に切り開くこと。彼らの先の新しい地平を切り開くこと。---それが何だと問われると、大変答えにくいが。肯定のより優れた形を、開き示すこと---そんなことだ。

 そして山中智恵子の、

   水くぐる青き扇をわがことば創りたまへるかの夜へ献(おく)る
           『みずかありなむ』「夜、わが歌を思ひ出づ」

の歌を紹介したが、ほとんど理解してもらえなかったようだ。この歌は、歌を最後の拠り所にする者たる歌人にとって、究極的な肯定の歌だ。「わたしの歌」は「かの夜」が創造してくれたもの、創り与えてくれたものだ。その夜に、すべての感謝を捧げる、---そういう歌だ。
 ここには肯定がある。


==================
 この日のわたしの出詠歌は次のもの:

>   魂に《平均律》を装填しアサギマダラの繭ごもる夜


 (「装填し」を「装填す」にするか、まだ迷い中。頭痛が激しく、このまま寝て明日があるか確信がなかった。グレン・グールド/バッハの《平均律》をしっかり聴いて眠りについた。明日も目覚めがあり、そしてその時には今よりきっと健やかであろう、と、晴れやかな予感をもって。)
(2013.02.21)



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