《あゝ野麦峠》の映画を見た

瀬谷こけし

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 この時期この日、野麦峠のお助け小屋に泊まろうとするひとが他にいるとはもともと思っていなかったが、朝の八時半過ぎに電話して、泊めてもらえるという事なので、予約した。授業が終わって、そして会田先生とファミレスでしばらく話して、結局高山を出発するのが5時半を過ぎた。
 野麦峠のお助け小屋に着いた時はもう6時50分を周っていて、食堂の方の入口は閉まっていた。また奥の建物の入口も閉まっていて、人がいるのかどうか、少し心配になった。しかし勝手口のようなところは鍵がかけてなくて、開けて「こんばんわー」と言うと、返事をしてくれる人があった。朝電話で話したひとと、同じ声だった。
 二階の奥の部屋に案内してくれた。この「お助け小屋」全体で30人ぐらいまで泊まれるということだった。通してくれた部屋は6畳間。文句もない。障子を開けて外を見ると、乗鞍が見えた。淡い桃色の夕焼けがしばらく見ていないものの気がした。。
 まず清潔な感じの風呂に入った。

 食事も山菜ものを中心に、美味しく楽しめた。いろいろたずねると、その小父さんが答えてくれる。まずはどのくらいのバスまで通れるのか、ということ。長さ9mまでで、38人乗りぐらいのものまで、ということ。要するにわたしがたずねていたのは、30人ほどの学生を連れて、どういうことができるか、を確かめることだった。30人ほどで旧道をあるいて信州側に下りるとして、猿などに襲われないような案内を頼めるのか、ということも。信州側へは道そのものは下り道で、去年会田先生と歩いた時は30分ほどで合流点まで出たので、道としてはあまり難はない。ただその時は猿の群れに最近接で10mぐらいのところまで出会ったのだった。小父さんの話では、この辺では猿の事故も熊の事故も話しは聞かないということだった。
 月夜沢峠への道についてはよく知らないようだった。もともと飛騨側のひとなのだそうだ。

 映画《あゝ野麦峠》の大判写真が沢山かかっていたので、話をきいた。この女優たちのうちのだれが政井みねの役をやったのか、とか。大竹しのぶ主演のものが評判の映画だったらしい。わたしが、DVDを探したが売ってなくて見たことがないというと、ビデオがあるが見るか? と言ってくれたので、見せてもらった。はじめが雪道を落ちるシーン。映画ではこれが高山から信州への往き道の、しかも飛騨側での話になっていた。山本茂実のその話とは逆になっている。この雪道を落ちるシーンは地元高根村の女性達が役をやったそうだ。実際映画的に大変迫力があり、危険な撮影のはずだ。---そんな風に、原作のエピソードを沢山ミックスさせて映画にしているが、映画的には緻密にしっかりと作られている。後半はやや荒いが、それでも十分によく作られた映画だと思う。このように、この映画に関しては会田先生とも意見が分かれるかもしれない。大竹しのぶの演技も立派だ。役柄の描き方も素晴らしい。わたしにはほとんど問題のない映画だと思えるのだが…。工女たちの連帯意識も現実的でしかも積極的でよく描けていると感じる。それに、登場する「悪」を、企業の悪として描いているのではなく、企業内の個人の悪として描いているのも、十分に配慮のいった描き方だ。わたしにとって、不満があるとすれば、その一番は、日露戦争の勝利に浮かれてしまう日本人の浅慮への批判がないところだ。第二番は、原田美恵子演じる副主人公が、家にもどって子供を産んで育てるという志をもちながら、それを果たすために必要な慎重な配慮を欠いてしまった人間として描いている点だ。わたしは、大竹しのぶ主演の映画を見たことがなかったので、むしろこの映画でファンになってしまった。飛騨弁もよい方だ。






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