《君あしたに去ぬ》

瀬谷こけし
 徳山詳直(京都造形芸大)前理事長の学校葬が12月12日に催される。昨日はなぜか私が蕪村の「北寿老仙を悼む」をそんな場で朗読しているさまをぼっと思い浮かべていた。「君あしたに去ぬ 夕べの心千々に何ぞはるかなる」からはじまる詩だ。多分何も見ずに朗読できる。「わが庵の阿弥陀仏 水もものせず 花もまゐらせず すごすごとたたずめる今宵はことに貴き」まで。徳山前理事長との関りは私はある意味とても深い。そして一度恐ろしく深い問いを投げかけられたことがあった。折口信夫の思想の根底にかかわる重大な問題について。その問いは人に語ることが出来ない。その時前理事長はある難しい戦いのさなかにあったはずだ。そして折口が最終的に尊重していたことが何か、ということがその戦略に決定的にかかわることだったはずだ。---わたしはその問いに、私の信ずるところをもって答えた。
 実を言えば、折口についてこれほど深い問いが発せられるのを、誰からも、どんな学者や哲学者からも聞いたことがない。そしてある意味私の答えに、少し安心して、戦略を立てたと想像している。
 それは、私がかつて人に答えた最も深い問題だったかもしれない。この問いゆえに、私は徳山前理事長をどんな学者よりも尊敬している。


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