《世界遺産》

瀬谷こけし

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 オルタ湖のあたりのモンテ・サクロ(サクロモンテ)は世界遺産に指定されている。頂上のフランチェスコ教会にその簡易な肩掛けバッグが売ってあったので、購入して、カメラバッグを入れたり、ガイドブックや地図を入れたりして重宝して使っていた。だがこれには他にも効能があった。ベルリンの博物館島を歩いていたとき、街頭で物売りをしていたお兄さんが、ふと「ノヴァーラ」と声をかけたのだ。---ああ、あのノヴァーラの駅からゆくオルタ湖あたりの世界遺産を知っているのだ、と気づいて、「知っているのか?」と私は振り返ってきき返した。彼は何も言わなかったけれど、ちょっとはにかんだような嬉しそうな表情をした。こんな高くもないただの袋(10ユーロだったと思う)がコミュニケーションのきっかけになるのだ。
 世界遺産、それはきっと空しいのものではない。単にツーリズムのためのものではない。そこには人類の光となるものがあるべきだ。本来の「観光」の目的となるべきものが。


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