《戦争と圧政の犠牲者たちに》

瀬谷こけし

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 ベルリンのウンター・デン・リンデン(菩提樹の下)通り、ベルリン大学の隣に、ささやかな建物がある。「ノイエ・ヴァッヘ」と呼ばれる建物だ。そこにケーテ・コルヴィッツの《ピエタ像》がある。というか、建物の中にはその像しかない。今年の3月15日にベルリンを旅した時、最も打たれたのはこの像だった。その像の手前に「戦争と圧政の犠牲者たちに」(DEN OPFERN VON KRIEG UND GEWALTHERRSCHAFT)と銘が添えられていた。戦争と圧政(暴力支配)の犠牲者、---マリアにとって殺された息子イエスはそういうもの以外ではなかったということを、如実に示す像だとわたしは感じた。
 その日、ベルリンは寒かった。第二次大戦後のドイツ人の真意はこの像のうちに見て取ることができるだろう。像そのものは一次大戦時に創られたものだというが。振り返ってみればサンピエトロ寺院(ローマ)のミケランジェロのピエタ像も、その本質はケーテのものと違わないと思う。ケーテの作の方がより母親の気持ちにより添っているだろうけれど。


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