《エッカーマンは月報の仕事を断わる》

瀬谷こけし


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 1824年12月3日にエッカーマンは相談を求めてゲーテのところを訪れる。それは自分が「非常にいい条件でイギリスの雑誌にドイツ文学の最近の作品について月々報告をしないか」という提案を受けて、自分は引き受けたいと思っているがどうだろうか、という相談だ。
 これに対してゲーテは「どうして君は仕事にもならず性格にも合わない事に関係しようとするのかね」と不快感を隠さずに言う。その理由はいくつか挙げられているが、その理由の一つは、公平できちんと通用するような書評を書こうとすればまずドイツの中世の文学を標準にすることができるぐらいに研究をしなければならず、さらに最近のシュレーゲル兄弟、フランツ・ホルン、ホフマン、クラウレンとかのものを全部読まなければならずさらにすべての新聞を『モルゲンブラット』から『アーベントツァイトング』に至るまで眼を通して新しく出たものをすぐ知っていなくてはならない。そして「こうして君は有用な時間と日とを無益に過ごしていまうことになる」と言う。さらにまた、世間と喧嘩したくなければ自分が悪いと思うものを悪いと言うわけには行かなくなる、というのである。
 仕事にならないことに無駄な時間を使うな、という忠告である。

 後日エッカーマンはこのイギリスからの申し出を断ったということをゲーテに報告する。
 (Kindle、古典教養文庫より)




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