《グレン・グールドの語っていること》

瀬谷こけし

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>History, thank God, should not and does not work that way. The process of historical selection is notoriously insensitive to who got where first but deeply involved with who did what with most sensitivity. (The GLENN GOULD Reader, Tim Page, Vintage Book, p.220)

>ありがたいことに、歴史はそのようには動くはずはないし、現にそうは動いていない。歴史の選択手続きは、だれがどこへ一番乗りしたかということにはあきらかに無関心である。そうではなくて、だれが、何をもっとも鋭敏な感覚をもってしたかに深い関心を示す。(野水瑞穂訳『グレングールド著作集1』みすず書房、p.329)

>さいわいなことに歴史はそういう仕方で働くべきではないし実際働いていない。歴史の選択のプロセスは周知のように誰がどこに最初に達したかには無関心であり、逆に最も深い感受性をもって誰が何をしたかということに深く関わっているのである。(拙訳)


==追記 2019.3.29==
 グールドの言葉の最後のところの「with most sensitivity」はちょっと変わった表現になっている気がする。もちろん「most」の使い方のことだ。「sensitivity」が名詞だからこの「most」は形容詞最上級だが、とすると原級は(sensitivityが不可算名詞なので)「much」のはずだ。だがそういう場合には「with sensitivity」を様態の副詞としてその全体を副詞最上級の「most」を使って「with sensitivity most」にするのが普通の書き方ではないだろうか? ---だがそうではないのである。ということはつまりグールドは「sensitivity(感受性)」に深いとか鋭いとかいう別の「質」を持った形容詞で示されるようなものを考えてはおらず、ただもっぱら「量的な」問題として語っているということなのである。とはいえ「最も大なる感受性」を持った者が「最も深く最も鋭い感受性」をもった者になるのも明らかなことであろう。

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