《「四条派への道」展を見てきた》

瀬谷こけし

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 西宮市大谷記念美術館に「四条派への道」という美術展を見に行ってきた。数日前に呉春の大きな画がたくさん展示されているということを聞いて、そして解説も筆致の分析など適切にされていて新鮮だと聞いて、行ってきた。場所は阪神電車の高櫨園駅から近くということで、阪神の西ノ宮駅にはちょうど一週間前に別の用事で行ったのだが、今日は電車で行ってきた。思ったより時間がかかって(三時間近く)観る時間が少なくなってしまったが、展示は細部までとても見やすく、この赤い球状のものは何だろう、赤カビの玉かななどと見ながら呉春のものを中心にゆっくりと見て行った。中でも26歳の時に描いたという「羅漢図」に目を開かされた。その繊細で適切な曲線(とりわけ衣文の)に。こんな線の筆力を持っていたのかという驚き。しかもまだ蕪村の下で「月溪」と号して描いていたころに。この筆力を彼は封印していたのだ。これに匹敵する確とした繊細な線は展示作品中では「与謝蕪村像」にしか見られなかった(顔の輪郭線や喉首の線)。---このことを発見してからは、彼の色々な筆致を見るのが楽しくなった。ほとんどの作品は余技のレベルで描けるのだ。筆の使い方は違うが池大雅にも劣らない筆力だ。文人画風のものなど、流行に合わせたアルバイトの感覚だっただろう。次いでカラスの画などで面としての筆遣いも習得してゆく。あと枝網の作り方、これは草間彌生の網の画にも匹敵するだろう。そういう風に描き方をひとつひとつ習得してゆく。細線による曲線の技は隠したまま。馬の鬣などですこし粗めに使っただけでもひとは感心してくれるようだ。細線の画力ではおそらく当代第一であっただろう。その画力を秘し隠して画の職人として生きてゆく生き方。そういう時代だったのだろう。
 久々に絵画を満喫してきた。

 写真は帰路、駅の近くの川の中に見かけた鯉幟。空に懸るご本体の方はほとんど見えなかった。

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