試訳 ヘルダーリン:「短さ」(Die Kuerze) 1798年

瀬谷こけし

  短さ

「なぜお前はかくも短いのだ? お前は、以前のように、
  もはや歌うことを愛さないのか? お前はしかし、青年として、
    歌っていた、希望の日々に、
      歌が終ると、決して思わなかった!」

わたしに歌があるのは、わたしの幸福だ。--- お前は夕焼けの中で、
  喜んで全身に夕日を浴びたいとはおもわないのか? しかし今夕焼けは消え、
    大地は冷たい。そして、夜の鳥は、鬱とおしく
      羽音を立てて、お前の目の前に飛んで来る。


Die Kürze   (Hölderlin, 1798)

»Warum bist du so kurz? liebst du, wie vormals, denn
  Nun nicht mehr den Gesang? fandst du, als Jüngling, doch,
    In den Tagen der Hoffnung,
      Wenn du sangest, das Ende nie!«

Wie mein Glück, ist mein Lied. - Willst du im Abendrot
  Froh dich baden? hinweg ists! und die Erd ist kalt,
    Und der Vogel der Nacht schwirrt
      Unbequem vor das Auge dir.


* 解釈
「お前」(du)とは何か、誰か? 「自分の青春」、もしくは「今なお青春を残している自分」のことだろう。私がそのような自分に対して語りかけている。そして「短さ」とは「青春の短さ」のことだ。私は(そしてお前は)今夕映えの中、その最後の青春を終えるかどうか、境のこところに立っている。しかし今や夕映えは去り、大地は冷たくなった。
 だが今私は私の自己規定をもっている。それは私には歌(Lied)があるということだ。それこそが私の幸福なのだ、というのである。私は歌を手放さないだろう。たとえ青春を失ったとしても。だがこの時にも、「夜の鳥」が羽音を立てて来る。それはこころを安らわせてくれない。「夜の鳥」はなぜ定冠詞か?


(わたしの勝手な誤解があるかもしれません。お気付きの方があればご教示いただければ幸いです)




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