拙句 葛の葉の

瀬谷こけし
 拙句:

  葛の葉のきみ秋すぎて朽ぬらし



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 写真は3月21日撮影のもの。カメラはLumixGF3.
 
 葛の葉は、秋に風に吹かれ、裏を見せる。それは昔からよく知られていた。そして恨みとかけて歌われてきた。だが、裏の心が「恨み」とは限らないのではないだろうか。裏の心こそ純粋に激しくもえていることもあるだろう。
 だが、秋をすぎ、草や土の上に落ちてからは、雨や雪に打たれるままに朽ちてゆく。恋も恨みもない。葛の葉の一年もようやく終わったようだ。一年を通して観察をしてきたが、これほど激しい植物も少ないのではないか? 芭蕉が『更級紀行』の旅でみた、「つたかづら」は一体何だったのだろうか? 一年半も考え続けて、未だにわからない。今は、生きものはすべて仏であり、かつ「つたかづら」であって、いのちをからめて生きのびてゆくものだという洞察のように思える。芭蕉がここを通ったときは、もう昔の桟(かけはし)は無かったと聞く。石を積み上げて、普通の橋が懸けられていたようだ。「桟」は多分芭蕉の幻視だ。彼は「葛橋」のようなものを幻視したのだろうか? そこに、生きる必死さを見たのは確かだ。また、世の決まりに応じてゆく工夫も見たはずだ。

   桟やいのちをからむつたかづら (430)
   桟や先(まづ)おもひいづ馬むかへ (431)

 先ずはじめに、ここをどうやって馬を渡すのかを考えたのだから。

 技術は長い。人々の生きる工夫の歴史には、いのちそのもの姿が見える。他とからますことによってはじめて可能になるいのち。いのちとはまずみずからをからますことからはじまるのだ。食べることもそのからますことのひとつの形。そうしたからみが桟になってゆく。






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