テーマ:日本歌人

《秋山の》

 昨日27日、日本歌人関西合同新年歌会があった。若いひとの歌がそれなりに面白くて、それなりに見どころはあったと言うべきだが、わたしとしてはむしろ評者の突っ込みの甘さ、読みの甘さと狭さに、疲れてしまった。きちんとした読みのないところに文学の生命はないと思う。歌の低下の一つの理由は、短歌の共通のトピックがテレビC…
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《紫式部の歌のなまおぼおぼしきことと朝顔》

 『紫式部集』に「方たがへにわたりたる人の、なまおぼおぼしきことありて、帰りにける早朝、朝顔の花をやるとて」との詞書をつけた次の一首がある。 > おぼつかなそれかあらぬか明け暗(ぐれ)の空おぼれする朝顔の花  (4) 「明け暗(ぐれ)」を「明け暮(く)れ」とあてるのは誤りで、これは南波浩のように「夜明け前…
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《山中智恵子の手書き原稿を》

 さる方から山中智恵子の手書き原稿をいただいた。山中さんの手書きの字はわたしにはとても読み取りにくいものだったが、これはまだ相当に読みやすい方に思う。しかしそれでも読みを確定させるには幾つか手順を踏まなければならない。調べてみると全集に入れられており、検討してみればそれと違いはないようだ。夏行の詠草のようだ。 …
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《二コラ・プッサンのフローラ女神 「破顔一笑」の心を》

 今年の春はこれまでになくさくらの花の花見を楽しんだ。「花見を楽しむ」というのはわたしの場合、気を入れて桜の写真を撮ろうとしたということなのだが。昨日写真の整理をしていると、2013年には4回も芹生の花山の写真を撮りに行っている。4月19、21、25、28日だ。山に浅く薄い色がつきそめたころから、濃厚な日差しの中激しい最期の色合…
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《日本歌人関西合同新年歌会に行った》

 日本歌人関西合同新年歌会に行ってきた。とても疲れた。さっき風呂に入ってやっと疲れが取れたが。  その内容のことはあまり言えない。前川佐重郎さんの評は平易な詠み方をという思想に貫かれ的確で、またユーモアもあって面白かった。また前川斎子さんの螳螂の詠歌はカマキリを平知盛と重ねて大変素晴らしかった。  これだけで…
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《夜の神の水 (Heilignuechternes Wasser)》

  先日日本歌人京都の忘年歌会が今熊野の澤正で開かれた。食事も歌会もともに魅力的な会だったが、その歌会でわたしが出した歌は次のものだった。 > くちづけに熱き頭(かうべ)を冷やさんと夜の神(ニュクチュルヌス)なる水を呑みたり この歌は多少問題にされたが、それはルビのように使われた「ニュクチュルヌス」のことだった。わか…
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《日本歌人2018年3月号草稿》

白鳥 (この白鳥はチューリッヒ湖ではなくルツェルン湖のもの)  標記のものを紹介しておきます。(  )の中はルビ扱いのものとお考えください。 >西へ東へ人走る北南「斬首斬首」の言葉とともに >養老や飲みもの選ぶ自販機に山吹色(やまぶき)の水これ美(うま)しとて >ほろぶものみな滅ぼされふる里はうさぎ苦…
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《日本歌人2017年7月号草稿》

ザーレ川、2016年8月15日, at ナウムブルク ○ベルリンにゆく準備にも欠せないジョルジュ・ムスタキ〈異国の人〉 ○世の民にニーチェといふは恐しき人昔アリストテレスは豚を黙らす ○Hirschentraum(ヒルシェントラウム)といふ菓子のあり鹿たちの夢ほぼ食べつくす ○啄木とともに遊び…
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《5月の日本歌人京都歌会》

 今日歌会があった。私の出詠歌は、 >きみさらにながながし夜を千年の孤独をもちてひとりかもねむ もちろん本歌の一つは人麻呂だが、この歌自体は次の歌への応答として詠まれている。 >百年の孤独を歩み何が来る ああ迅速の夕焼けの雲 山中智恵子の『風騒思女集』の末尾の歌だ。  詠んだのは八年前、山中…
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《日本歌人2017年4月京都歌会》

(構内落葉、2017年4月14日京大構内)  今日(4月15日)日本歌人京都歌会の歌会があった。わたしが出詠したのは、以前(『日本歌人誌』)「2017年7月号草稿」として掲載したもののひとつを一字だけ変えたものだ。 > 時の中へみづから息を引きとりて去りにしものを掴むすべなし 「夢の中へ」を「時の中へ」に…
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《日本歌人2017年7月号草稿》

○家々は明かりつましく暮らしたりひとの生くるはさびしきものぞ ○今生の別れとてや差し伸ぶる骨ばかりなる手を握りしことを ○あさましきばかりに細き骨の手を差し伸べる姉のこころの無慚 ○父の見る真夜に身まかりにけり姉千代子齢二十九の灯 ○夢の中へみづから息を引きとりて去りにしものを掴むすべなし…
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《プリンツ・フォーゲルフライ 日本歌人3月京都歌会》

 今日(3月18日)は午後から京都歌会があった。突っ込んだ議論が交わされ、とても有意義な会だった。普段は出詠歌を歌会の後で変更することはないのだが、今回は変更することにした。変更後はこうだ、 >海峡に鴎が数羽群れて飛ぶ皇子(プリンツ)フォーゲルフライのこれが友たち  「プリンツ・フォーゲルフライの…
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《Web百首4「庭道楽」》

南天  「庭道楽」 八首 ○芳りくるものあるに気づきて見上ぐればひそかな樹ありそれ銀木犀 ○乳酸菌ショコラをかくて購ひぬテレビCMにまんま釣られて ○ベンツばかり三台以上置ける家きっとゆゑある家にぞあらむ ○LEDのまぶしすぎるを悪(にく)みをれば百均に蛍光灯管みつけよろこぶ ○たこ糸…
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《前川佐美雄短歌抄 1》

マンサクの葉 詩仙堂 (2015.11.7)       序  今日では読む人も少なくなっているであろう前川佐美雄の短歌を、少し纏めてみたい。今は世の中に佐美雄のように、おのれの内のどうしようもない鋭さ、あぶなさと日々対決している人間が少なくなっているように見える。むしろさまざまなお約束ごと、(例えば放送コー…
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《春がすみ---前川佐美雄論》

政井みねの像 野麦峠  はじめに二首の歌を対比させてみよう。前川佐美雄の、 > ①春がすみいよよ濃くなる眞晝間のなにも見えねば大和と思へ  (一)    『大和』「昭和十四年、大和」 と、拙詠、 > 野麦峠にたどりつきたるミネの目の何もみえねどここは飛騨の地  (二) 拙詠、《飛騨高山 W…
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《Web百首3「コスモスの花」》

 「コスモスの花」 八首 ○飯館村は廃地廃寺の廃村といふ亡国の徒の汚染土の山 ○わが耳に音してものの聞こゆるは「ひとすべからく寛(ゆるやか)であれ」 ○わが仕事の比喩のごときか秋の日の草湧くばかり咲くコスモスの花 ○宮柱底つ磐根に固く据え常世を恃む代も過ぎにけり ○「搏風」をちぎ…
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《Web百首1「風には風の」》

奈川渡ダム  しばらく短歌の実作から遠ざかっていた。と言っても、「日本歌人」の月一度の例会には欠かさずに出たいと思っていたので、折々詠み残してはいた。それが、先々月ごろから前川佐美雄の『植物祭』を読み直していて、わたしも詠んでみたいという気持ちがふつふつとわいて来た。こういう歌集が許されていた時代、許容されていた時代と…
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京都歌会 --- わがことば創りたまへるかの夜

 今日、日本歌人の京都歌会。新人二人が来てくれた。作も評も素晴らしい二人。  歌会の後喫茶室で談話していたが、ある先輩から私が短歌で何をやろうとしているのかきかれた。普段こんなことは尋ねられたこともないのだが。  私の答えは多分簡単だ。山中智恵子と塚本邦雄が開いた地平を先に切り開くこと。彼らの先の新しい地平を切り開くこと。---…
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高橋淑子歌集『冬虫夏草』紹介

 今日は琵琶湖湖岸にある「千松」というところで、日本歌人京都歌会の十二月の歌会と、仲間の高橋淑子さんの歌集『冬虫夏草』(梧葉出版刊)の出版祝賀会があった。そしてその他忘年会も兼ねていたが。  この『冬虫夏草』という歌集はとてもよいものだ。この非常に微かなもの、ことを、これほどに取り出せた人は居ないのではないだろうか。ヘルダーリンは…
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井村亘歌集『星は和みて』

 四月にご恵送いただきながら、いままで読むことのできなかった井村亘さんの歌集『星は和みて』について、若干の紹介をさせていただきたい。この度、全巻を通読させていただいたが、今でも以前合同歌会で拝見した次の歌がわたしには一番鮮明だ。 01 しなやかに身をのけぞらすイナバウアーをとめのポーズしばしとどめよ  荒川静香の、あの氷…
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後藤惠市歌集『さみしいうさぎ』から

 後藤惠市歌集『さみしいうさぎ』(2012年8月11日、ながらみ書房)から、幾つかの歌を紹介しよう(まだ半分も読めていないので、後でさらに追加する予定)。  (*の小文はわたしの感想) 01 側溝の蓋と蓋との隙間から茎をのばしてたんぽぽ咲けり    *こういう観察、発見、関心はいいな、と思う。 02 薄暮れてま…
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長岡千尋歌集『静歌』

 長岡千尋さんの歌集『静歌』(2012年7月20日、北羊館)から、短い感想をつけて何首か紹介します。 01 山霧がけだもののごとく襲ひきてわが座(ゐ)る闇のまはり濡らすも    *山霧に襲われるというさま。そういえばヘルダーリンの「自然へ」の一節と似ている。 02 山の端に海獣葡萄鏡のごとき月出でてヘルダー…
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もう秋は終ったと (3)

   それで一首:      秋を叱る歌   冬時雨楓一本染めきれぬ今年の秋はだれてばっかり  今日日本歌人の京都歌会があって出した歌だが、ほめてくれる人が少しあった。
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出船・入船 昨日日本歌人京都歌会で

 日本歌人の京都歌会には、和菓子屋をやってらっしゃる方がいて、昨日はとても春らしい干菓子を持って来て下さった。とても可愛らしくて、まず写真を撮らせてもらって、その場ではとても食べられず、今日もまだ食べられず、家人に見せてからと思って、いろいろ忙しく、まだ見せられていない。明日の朝には見てくれると思うが。  波を船の下に置くか上に置…
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仲つとむの歌集『音霊』

著者が何年のお生まれなのかわたしは知らない。普段から京都歌会でお世話になっているのだがそれは聞いたことがない。しかし、終戦を自分の経験として知る人だということはこの歌集の中の次の歌からわかる。   敗戦の夏を知るわれは風葬のごとき大樹をいまも忘れず   (踏み絵)(01) しかしこの「風葬のごとき大樹」とは何なのだろ…
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山中智恵子論<9>、<10>をUPしました

今年の1月から『日本歌人』誌に連載していた拙論、「山中智恵子論」が10月号をもって完了しました。 それで、本日11月になったことで、わたしのホームページにUPしました。 「山中智恵子論<9> ノヴァリス・巫女・をなり神」 http://www2.biglobe.ne.jp/~naxos/ChiekoYn/Yamanak…
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山中智恵子論 雨師・王・翁・誄歌

 四月二日、この日京都は一日中黄砂に覆われていた。重たいものが街中を包んでいた。雲ではない。かつてないほど厚いもので、エキゾチズム的な中国大陸へのあこがれをもたせるようなものではなかった。むしろこの黄砂とともに、大陸の工場から排出された汚染物質が運ばれてきているのだろうと思わせるものだった。数年前までは黄砂が降ると、遠い西の異国を憧…
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「山中智恵子論 七 ---佛眼佛母・不思議・ことはり・最短距離」本日完成

 最終締切と言われていた十五日を過ぎてしまっていたので、肩に重い何かが負ぶさっているようだった。それがやっと消えてくれた。『日本歌人』七月号に掲載される予定です。  今日、上高野は田植え。書き終えて送ってなどをしていると家を出るのが五時近くになっていた。田植えはその時間にはどこの田でももう終わっていた。田植機の姿も見えなかった。 …
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